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[memo]気になるイベント
●夜のポエティズム
日程:4/27(木)18:30開場/19:00
前売り予約¥1800当日¥2000
会場:UPLINKhttp://www.uplink.co.jp/info/map.html
シュヴァンクマイエルの魔術的な世界の全貌をはじめて紹介した赤塚若樹が、皆さんをアニメーションや実験フィルムの未知の映像世界に御案内します。アート(アニメーション)フィルム ヒストリーのレクチャー、アニメーション作家達の情報だけではなく、魔法の函から秘蔵のお宝も飛び出すかも?!
(『http://www.uplink.co.jp/factory/log/001137.php』より)
『シュヴァンクマイエル映画祭2004』トークショ−で赤塚若樹さんのトークを聴いて以来、赤塚さんの動向に注目しています。
シュヴァンクマイエル映画祭のトークはとても印象深いものでした。
赤塚さんはトークが始まるなりシュヴァンクマイエル映画祭のチラシの『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』の所に書かれていた【ラテルナ・マギカ演出経験を生かしたシュヴァンクマイエルのデビュー作】という説明を『これは違うよね』と指摘されたのです。自分はその指摘の意味が分からず、ただ数多くのアニメーションを観ることしか考えていないことに気づいてしまいました。ラテルナ・マギカってそもそも何なんだろう??という問いかけは、チェコの文化に興味をより強く持つ切っ掛けとなり、チェコ旅行の際には、プラハ滞在時のスケジュールに『ラテルナ・マギカ』の鑑賞を真っ先に加えることになりました。
ただこの指摘に関しては、赤塚さんが携わった書籍、『シュヴァンクマイエルの世界』のヤンのインタビューを読めば書いてあることです。【ラテルナ・マギカで演出家としてはらく日々は、ひどく退屈でした。】というラテルナ・マギカで過ごした時期よりも、むしろそれ以前の【兵役からもどったとき、私はプラハのセマフォル劇場のために仮面劇団を結成しました。これは光と闇を利用した演出法も取り入れていました。】というセマフォル劇場での経験の方が強かったのだろうことは想像できます。セマフォル劇場は、やがてミュージカルを売り物にするようになり、シュヴァンクマイエルは、経営者だけでなく大衆の求めるものとも合わなくなり、この劇場から去りラテルナ・マギカへ移ることになります。
シュヴァンクマイエルは、映画について以下のように語っています。
映画には演劇をはるかにしのぐ点がひとつあります。映画は観客を待つことができるのです。演劇にはできません。これを確信するようになったのは、仮面劇に携わったときです。人びとは理解できず、上映中に席を立ちました−ところが、私の映画は20年間観客を待ちました。
(『シュヴァンクマイエルの世界』より)
様々な背景から生まれたヤン・シュヴァンクマイエルの処女作『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』。観れば観る程、そして『シュヴァンクマイエルの世界』を読めば読む程、魅力が増していきます。
作家の処女作は、映像作品だけでは分からないことが多いし、円熟期に比べて技術の面で劣っているかもしれません。ただ映像がつくられた背景に焦点をあてることが出来るなら、プリミティブな状態で作品に色濃く反映された作家性が浮き彫りになるような気がします。
アニメーション映像をただ観るだけでなく、それを制作した作家自身に興味を持つようになりはじめました。その作家が過ごした環境や時代性を通して、映像作品に迫ってみたいそんな風に思うようになったのです。
ただ教養も文章力もないので、今は関連書籍に目を通したり、知識のある方のトークイベントなどに足を運んでいます。
赤塚さんは、シュヴァンクマイエルの映像世界に留まらず、他国の作家性の高い映像の研究を進められています。定期的に内容の濃い研究発表もされていて、先月末に第2回目の発表が行われました。(1回目は足を運ぶことが出来たのですが、2回目はどうしても都合がつかず行けませんでした。非常に残念です。今でも後悔しています。)このような研究活動や、今回のイベントようなレクチャーが増えてくることを願っています。
昨今、作家性の高いアニメーション映像の上映やDVD化の機会が増えていますが、果たしてアニメーションを観る文化というのは根付いているのでしょうか?特に私のようにここ数年で騒ぎ始めたような層の間では、まだまだ定着したとは言えないような気がしています。
個人でアニメーションを制作されている方が増えています。アニメーションを観る文化が定着するようになれば、今後面白い展開が期待できるような気がしています。
ただどうすれば定着するのか分かりませんし、個人で何が出来るわけでもないのですが、唯一できることは、イベントや上映にただただ感謝し会場に足を運び、アンテナ感度を高め面白そうなイベント情報を収集し告知することのみです。
最近は、ゆらゆら大陸でのメモに限界を感じて、違う方法も試みています。
どういうやり方がよいのかまだ分かりません。試行錯誤は続きそうです。
関連:
●Wakagi Akatsuka's Website[赤塚若樹のウェブサイト]
http://www.asahi-net.or.jp/~tt2w-aktk/
●Poetisme nocturneとりとめなく[赤塚さんのブログ]
http://wakagi.seesaa.net/
●アニメーション文化研究プロジェクト
http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/hyosho/animation/2005.html
- 作者: ヤンシュヴァンクマイエル,くまがいマキ,Jan Svankmajer,赤塚若樹
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1999/12/01
- メディア: 単行本
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