ユーリー・ノルシュテイン作品の全国ロードショー情報続報

  • 2004年7月18日(日)〜
  • 東京地区 ラピュタ阿佐ヶ谷
  • 料金:特別観賞券1,000円/当日一般 1,200円
  • 大・高 1,100円/中・シニア 1,000円
  • 小学生以下 800円
  • ※9月以降、全国順次ロードショー予定

以前、書いたネタですが上映作品の詳細が出たのでmemoしておきます。


数々の受賞歴をはじめ、昨年日本で刊行された書籍“プロが選んだ「世界と日本のアニメーションベスト150」”では堂々の第一位を獲得した『霧の中のハリネズミ』。同じく第二位の『話の話』。完成から幾年経っても色あせずに輝きつづけるユーリー・ノルシュテインの短編アニメーション作品集、初の正式ロードショー公開です。

◆ プログラムA(親子向き):
『霧の中のハリネズミ』/ユーリー・ノルシュテイン
『キツネとウサギ』/ユーリー・ノルシュテイン
『愛しの青いワニ』/ワジム・クルチェフスキー(アニメーター:ユーリー・ノルシュテイン
『犬が住んでいました』/エドゥアルド・ナザーロフ
『お姫さまと怪人』/エドゥアルド・ナザーロフ
『ひとりぼっちのカバ』/エドゥアルド・ナザーロフ
マルティンコの軌跡』/エドゥアルド・ナザーロフ
 計7作品(64分)

◆プログラムB(大人向き):
『25日・最初の日』
『ケルジェネツの戦い』
アオサギとツル』
『話の話』
 計4作品(60分)
(ユーリー・ノルシュテインの仕事より)

ノルシュテインの作品をスクリーンで観ることは、DVDで『ユーリ・ノルシュテイン作品集』を観るときとは異なる発見があるような気がします。(自分は、好きな作品のDVDを持っていても、映画館で上映があれば観に行きたい人種みたいです。)また、映画館のスクリーンのサイズや雰囲気によっても異なる印象を受ける気がします。実際、ラピュタ阿佐ヶ谷で観てそんなによいと思わなかった『アオサギとツル』を『ユーリー・ノルシュテイン展』の行われた三鷹の森ジブリ美術館土星座(ジブリ美術館内のミニシアター)で観ると、全く違う印象を受けました。(ラピュタ阿佐ヶ谷で観たときは疲れた状態で鑑賞したせいもあるのかもしれませんが・・・)土星座のスクリーンはラピュタ阿佐ヶ谷の1.5倍くらいあり、アオサギとツルの表情がよく分かる為、2匹のおかしなやり取りが良く伝わってきたのです。そのとき初めて、『アオサギとツル』を味わい深い作品だなぁと思うことができました。土星座での上映が気に入ったので(但し、ジブリ美術館に興味があるけど、ノルシュテインにはあまり興味がない方も多く、『えっ?!この作品何?!』という反応も少なくなく、会場の雰囲気は微妙な気もしましたが・・・)、最初に行ったときに上映されなかった、『話の話』を観るために、再度ジブリ美術館に足を運んだりもしました。
ノルシュテインの作品はスクリーンが大きくなる程、切り絵のひとつひとつのパーツの表情が表れてきて、ノルシュテインの職人的ナ仕事っぷりが伝わってきていいなと思います。初の全国順次ロードショーというのは、今までスクリーンで観たくても観られなかった全国のノルシュテインファンの方々には朗報だと思います。自分も時間が合えばまた行きたいなと思っていたのですが・・・ナザーロフの作品が加えられたプログラムA(親子向き)はともかく(ノルシュテインの作品よりナザーロフの作品数と時間が長いのが気になりますが)、プログラムB(大人向き)はどうなのだろう・・・
去年の『ラピュタアニメーションフェスティバル2003』では『ユーリ・ノルシュテイン作品集』と題して、今回のロードショーと同じ料金で、プログラムBの内容+『霧の中のハリネズミ』、『キツネとウサギ』、DVDに収録されていない『おやすみなさいこどもたち』、『ロシア砂糖のCM』そして、第1部完成直前の『外套』 のサイレントバージョンが上映され、かなりの充実感がありました。特にノルシュテインが20年もの歳月をかけて取り組んでいる『外套』は、未完成の為サイレント(無音)での上映でしたが、細かいパーツで構成されたアカーキーの表情は、まるで実際に生きているかのような錯覚を起こすほどのつくり込みで、このクオリティーを保つと完成は不可能ではないだろうかと思ってしまうほど素晴しい作品でした。今回の全国ロードショーで、『外套』がプログラムに含まれていたら、再度映画館に足を運びたかっただけに残念です。
去年から今年にかけて、ノルシュテイン関連のイベントが盛りだくさんで『外套』 の完成に向けての意気込みも感じるのですが、せっかくのロードショーなのだから、DVDに収録されていないプログラムを充実させるか、若しくは気軽に足を運べる料金に抑えて欲しかったなぁ・・・というのが正直な印象です。