真鍋博展

unun2004-09-11

【イラストからコミュニケーション真鍋博展】
◆ 1960年代から印刷メディアを自らの発表の場として選び、イラストレーターとして活躍した真鍋博(1932-2000)の回顧展。未来像やミステリー関係中心にイラストや冊子など主要作品を紹介。
◆ 未来を描く分野では、SF小説星新一の表紙など、ミステリー分野ではミステリマガジンなど、自著を中心としたコーナーでは真鍋博のイラストから現実化した夢の自転車も展示。
『東京ステーションギャラリー』より)

明日で終了の『真鍋博展』に行ってきました。アイザック・アシモフアーサー・C・クラーク星新一筒井康隆等のSF小説関連の未来画。ミステリマガジン原画や真鍋博のイラストであることを知らなかった「アガサ・クリスティー」シリーズ、ユリイカ。博覧会などの宣伝用ポスター類、テレカや傘、CDジャケットやグッズ類、自著本やその原画類、緻密に書き込まれた日記(スケジュール)など、約180点の原画類、約300点の書籍・グッズ類が出品されています。

関連:現在、会場で上映中!
●『時間』8min(1963年『アニメーション3人の会』上映作品)        
●『潜水艦カシオペア』6min(1964年アニメーションフェスティバル上映作品)  

真鍋博さんが、1960年に久里洋二さん、グラフィック・アートの柳原良平さんらと共に『アニメーション3人の会』を結成し、青山の草月ホールで1962年、1963年の計3回、自主アニメーションの上映会をやったということを知識としては知っているのですが、九里さん以外の作品を見た事がなかったので、会場で真鍋さんの『時間』を観れたのはホント良かったです。
この作品は、1963年に制作された8分のアニメーション(モノクロ)です。序盤、真っ暗な画面に、多数の手のイラストが浮かび上がってきて、その後それぞれの手に時計のイラストが現れ、短針と長針がそれぞれの時を刻む。やがて、手と時計のフレームが消え、短針と長針のみ残され動き続ける。そして、多数の時計の短針と長針が、徐々にタイトルの『時計』という文字を描きだす・・・
このシークエンスにやられました!カッコよすぎ!その後の展開も、日常を簡略化して表現で、コミカルに描いていて面白い!この作品を気に入ってしまい、結局何回も観てしまいました(笑)。あと、『潜水艦カシオペア』はコマ撮りではないので厳密に言うとアニメーションではないですが、真鍋さんのイラストと実写の水の取り合わせが、独特な世界をつくり出していましたよ。
余談:『真鍋博展』で一番驚いたのは、緻密に書き込まれたスケジュール(日記)です!生活のリズムは一定で、仕事の時間はもちろん、歯ミガキの時間もきっちりと書き込まれています(笑)。真鍋博さんの人柄を垣間見れたようで興味深かったです。

関連:過去の上映情報(またやって欲しいです。)
<アニメーション3人の会>の大いなる軌跡