ズビグニュー・リプチンスキ

11月2日に、東京日仏学院で行われた『ビデオフォルム映画祭ベスト・コレクション』の上映になんとか足を運びました。リプチンスキの作品は、去年のラピュタアニメーションフェスで上映された『TANGO』がかなり衝撃的だったので、機会があれば他の作品も観たいと思っていたので、今回の上映プログラムを発見出来たのは本当に運が良かった。以下、簡単にメモ。
●「ステップ」 (1987年/25分)
http://www.zbigvision.com/StepsFilm.html 
セルゲイ・エイゼンシュタインの「戦艦ポチョムキン」のオデッサの階段を舞台にしたモノクロ映像部分に、観光客風の一般人のカラー映像が合成された作品。挿入される楽観的ナ観光客の反応とオデッサの階段で繰り広げられる悲劇が交錯する。カラーとモノクロ、明と暗、対照的な2つの時空間が一つの画面上で、奇妙な一体感を造り出す。
●「四次元」 (1988年/7分)
http://www.zbigvision.com/The4Dim.html
この作品上に登場する人やモノは、この作品上では等価であり、それぞれ素材として扱われ、静かな音楽に調和するかのように、緩やかな動きでグニャグニャと形を変容させ交差していく超美麗映像集。この映像で自分の中でのリプチンスキの評価は急上昇。ここ1年で様々な種類の映像を観たと思っていたけど、世の中にまだまだ鳥肌の立つような新鮮で興味深い映像作品が存在することを思い知らされた気がした。