アデラ/ニック・カーター、プラハの対決

unun2004-04-10


魔都プラハを舞台に名探偵ニック・カーターが謎の食人植物アデラと対決!シュヴァンクマイエルが担当した、アデラの悪夢的魅力溢れるアニメーションも必見!!

原作・脚本はアニメーション作家としても有名なイジー・ブルテチュカ。女流監督ヴェラ・ヒティロヴァ(『ひなぎく』)の夫ヤロスラフ・クチャラが撮影を担当。緻密でシュールな映像に、摩訶不思議な秘密兵器アリ、可憐なチェコ娘との恋もアリのヘンテコ活劇コメディにして巨匠リプスキーの最高傑作!!
(DVDジャケットより引用)

オルドリッチ・リプスキー監督の『アデラ』をDVDで観ました。ヤン・シュヴァンクマイエルが担当した食人植物アデラの映像も、らしさが出てて良かったですが、主人公のニック・カーターが次々と出す、不思議なへんてこ兵器が、とにかく楽しくて笑いがとまらない。(笑い上戸なもので。)幸せな気分になれる映画でした。
以下、あらすじ(ネタバレ有)。


シャーロック・ホームズも敬意を表するアメリカ最高の名探偵ニック・カーター。プラハでの彼の任務はなんと行方不明の犬の捜索!?拍子抜けするニックだが、捜査を進めるうちに事件の裏にかつての宿敵・犯罪王クラツマル男爵の恐ろしい陰謀が隠されていることに気づく。モーツァルトを聴くと食欲が沸く食人植物アデラ。その魔の手がいま老教授と孫娘クベトシュカに襲いかかる!
(DVDジャケットより引用)

お気に入りのシーンをメモ(ネタバレ有)。
・オープニングで、熱心にクラシックな曲を指揮する人の映像が流れるのだが、途中、奇妙な効果音と絵が挿入され笑いを誘う。
・名探偵ニック・カーターの事務所があるニューヨークの描写が、絵やニューヨークっぽい風景のセットだったりして楽しい。
・ニック・カーター役のミハル・ドチョロマンスキーは、かなりの美形なのだが、かなりおかしなことを真顔でやってのけるステキな俳優。
・ニック・カーターの相棒、レドビナ警部、ビール飲み過ぎ。カーターと共にビール三昧の飲み倒れ。
・目が生えた植物をクラツマル男爵が、モーツァルトの『子守唄』を聴かせながら、血のしたたる肉を与えて育てるシーン。『目』がシュヴァンクマイエルっぽい。
・クラツマル男爵がニック・カーターに出会うのを避ける為、トレイをお尻の下に敷き、何十段もある階段を滑り降りるシーン。そんなことしなくても、普通に逃げれるだろうと思うけど、見事な滑りっぷりに軽く感動。
・愛犬失踪時のセピア色の写真を紙芝居風にコマ撮りした回想シーンに思わず笑い。
・食人植物アデラが、ラットを食すシーン。一目でシュヴァンクマイエルが担当したと分かる独特な空気感が溜まらない。
・キャバレーで、ニックカーターが、離れた場所にいるレドビナ警部と、へんてこな遠隔有線通信機?!で連絡を取るシーン。あり得ない、笑うしかない。
・キャバレーで、明らかに不自然なネコの着ぐるみを身につけた女性が踊り、ニック・カーターを誘惑するシーン。その後のベットの床抜けシーンに爆笑。
・レドビナ警部がニックカーターに変装するシーン。太った警部が薬一つで痩せ形体型に。
・クラツマル男爵の老教授への復讐のきっかけは、高校時代の落第。復讐の為にアデラを育てていたとは、なんて回りくどいんだ〜。思わず唖然!!そして失笑。
・ニック・カーターがクベトシュカに会う為、へんてこ装置を身にまとい、空を軽やかに舞うシーン。ここまで、色んなへんてこ装置を見ると、そんな装置で空を飛べるか??なんて野暮なことは思わない。後でもっとすごいの見ることになるし。
・クラツマル男爵の老教授への復讐は失敗に終わり、男爵が気球で大空へ。それを追うニック・カーターは、自転車に翼を付けた人力飛行機???に乗り込み空へ。もう、どこへでも飛んでって下さい〜。もの凄い安易な展開、最高です。
人力飛行機?での追跡が失敗に終わり、秘密兵器、太陽光線銃??で、クラツマル男爵の乗る気球を打ち落とすことに。が、大事な所で、太陽が雲の影に。レドビナ警部が替わりに取り出した武器はなんとー○○○。

というわけで、かなりへんてこシーン満載のステキな映画でした。