萌童*Houdou/4min41sec

unun2004-09-17

萌童*Houdou/4min41sec
和紙や千代紙を素材とし、撮影には16mmフィルムで1秒12コマで行ったそうです。
『openArt』)より

久々に『openArt』を覗いていたら、和紙と千代紙を使ったステキなアニメーション作品に出会ったので、メモしておきます。(いつからUPされているのか分らないのですが、まだ観ていない人は是非。)
千代紙を使ったアニメーションといえば、大藤信郎氏の作品を真っ先に思い浮かべます(というか他に知らないのですが)。今年の夏、運良く『日本アニメーション映画史』で上映された大藤氏の4つのプログラムの内、1,3,4を鑑賞することが出来たのですが、『千代紙』『切り絵と実写』『影絵』など、多彩な表現に触れることが出来たのは幸運でした。特に大スクリーンで観たカラーの影絵、『幽霊船』。(ほぼ満席に近い会場の多くの方が物凄いものを観てしまったという感想を抱いたのではないだろうか思ってしまうほど、上映後、会場がどよめいていました。)、現存する日本で最古の『実写とアニメーション』の合成作品、『煙り草物語』。(自分は実写とアニメーションの合成が好きなので、1924年にこの作品にチャレンジしたことに驚き。)そして、『馬具田城の盗賊』などの千代紙を使ったアニメーション!(千代紙をアニメーションにしようとしたアイデアと作品のコミカルな展開に惚れ惚れしましたよ。)
千代紙などを使用した初期の作品は、どれも楽しく千代紙とアニメーションの相性の良さを感じました。使用している千代紙自体には色がついているはずなのですが、氏の千代紙作品はどれもモノクロで撮影されたものばかり。そういう時代に造られたので、カラーで撮影されたらどのような雰囲気になるかなんて全く考えもしなかったのですが・・・。
『萌童*Houdou』。この作品を観て、大藤氏の千代紙作品がカラーだったら、どんなだろう・・・そんなこと考えてしまいました。白黒でしか現存しないことは知っているのですが、そんな思いを引き起こさせてくれる程、この『萌童*Houdou』は千代紙の風合いを活かしたステキな作品だなぁと思いました。