シュヴァンクマイエル新作関連情報

unun2005-10-20

更新が停滞していて申し訳ありませんー。
ヤン・シュヴァンクマイエルの新作のサイトがアップされたのでメモしておきます。

●シュヴァンクマイエルの新作『Šílení』のサイト
http://www.czech-tv.cz/specialy/sileni/
●フォトギャラリーが充実していますよ
http://www.czech-tv.cz/specialy/sileni/fotogalerie.php

●『Šílení』の予告編が観られるようになりました。
http://www.czech-tv.cz/specialy/sileni/video.php

『Šílení』の英訳版のタイトルは『Lunacy』で、日本での公開タイトルは『ルナシー』になる模様(まだ確定ではないようです)。
先月発売した雑誌『TON』のインタビューの中でヤンが新作について語っています。
新作のアイデアは70年代初頭からあたためてきたもので、映画のモチーフはエドガー・アラン・ポーの短編やマルキ・ド・サドの破壊的な思考を取り入れて制作したとのこと。また、『Šílení』は高尚な言い方をすれば《哲学的ホラー》といえるかもしれない。映画が完成して思うのは、この映画が宗教原理主義の良い説明になっているとも語っています。

70年代初頭といえば、『ドン・ファン('70)』『コストニツェ('70)』『ジャバウォッキー('71)』『レオナルドの日記('72)』と、『オトラントの城('73-79)』の制作中に当局から映像製作を禁じられるまで次々と意欲的な映像作品を制作していく時期。またそれは、触覚の実験に没頭していく時期です。
79年に映像製作に復帰することが出来、『オトラントの城('73-79)』を完成させた後に制作したのが『アッシャー家の崩壊(’80)』。『シュヴァンクマイエルの世界(国書刊行会)』によると、原作はエドガー・アラン・ポーの短編で、この短編小説の一部となっている詩『魔の宮殿』を解釈するためにヤンは、粘土に押し付ける触覚の手ぶりというテクニックを用いて、アッシャーの精神状態の変容を表現している。そして、この詩は狂気のはじまりを想起させる。。。

『Šílení』の直訳は『狂気』。70年代初頭からあたため続けたテーマがどのような姿に変容しているのでしょうか。来年の日本での公開が待ち遠しいです。
なおチェコでは来月の17日にプレミア上映の予定。

●Šílení[Lunacy]のあらすじ
http://www32.ocn.ne.jp/~rencom/tsune/jan/Lunacy.html