岡本忠成[3][計72分]

『小さな五つのお話』は、それぞれに作風の異なるセルアニメ人形アニメからなるオムニバス作品。このうちの4話は岡本自身によるオリジナルで、日常に潜む社会問題へと鋭い眼差しが向けられている点も注目される。沖縄海洋博の展示映像用に製作された『水のたね』(オリジナルでは35mmと16mm、スライドを併用する上映方式がとられたが今回の上映プリントは一画面用の再編集版)はローケツ染めによる布製の人形、『あれはだれ?』は毛糸の人形(半立体)を採用。岡本が試みた多彩な表現は、6作品を担当したNHKみんなのうた」にも生かされており、イラストマーカーや毛糸、粘土などの素材を歌の内容に応じて自在に使い分けている。

小さな五つのお話(‘74・20分・35mm・カラー)
水のたね(‘75・19分・16mm・カラー)
あれはだれ?(‘76・21分・16mm・カラー)
NHKみんなのうた」》
オナカの大きな王子さま(‘75・2分・35mm・カラー)
シンフォニック・バリエーション(‘76・2分・35mm・カラー)
雪の日のたより(‘77・2分・35mm・カラー)
ロバちょっとすねた(‘83・2分・35mm・カラー)
メトロポリタン・ミュージアム(‘84・2分・35mm・カラー)
コロは屋根のうえ(‘862分・35mm・カラー)
日本アニメーション映画史より)