岡本忠成[6](計77分)

注文の多い料理店』は『おこんじょうるり』の完成後、それまでとは全く異なるスタイルを模索していた岡本が3年間温めていた企画で、岡本の急逝により遺された未完の絵コンテなどを盟友の川本喜八郎が引き継ぎ完成にこぎつけた。キャラクターと背景が溶け合う「セルには見えないセルアニメ」の中に、今では幻となった構想の一端を垣間見ることができる。『ハンドメイドアニメーション映画の世界』は、数々の岡本作品を取り上げながら保坂純子(人形)、小前隆(美術)、真賀里文子(アニメーション)、田村実(撮影)へのインタビューを行った記録映画。岡本アニメーションが優れた共同作業の産物でもあることが再認識できるだろう。
注文の多い料理店(‘91・19分・35mm・カラー)
ハンドメイドアニメーション映画の世界(2001・58分・35mm・カラー)
日本アニメーション映画史より)