岡本忠成[5](計70分)

インドの昔話に材をとった『白い象』は人形の素材に皮を用い、構図にはインド絵画を思わせる美術様式を取り入れた異色作。神沢利子の同名童話を原作とする『ふらいぱんじいさん』は岡本作品としては初めてのクレイ・アニメである。イタコの婆さまときつねの情愛を描いた『おこんじょうるり』は、張り子や泥人形の質感を生かした人形、劇中で歌われる浄瑠璃長岡輝子による津軽弁の語りなどが渾然一体となった岡本アニメーションの集大成。芸術祭大賞のほか大藤賞やキネマ旬報ベストテン文化映画部門第1位などこの年の各賞を総なめにした。

白い象(‘81・23分・35mm・カラー)
ふらいぱんじいさん(‘81・21分・35mm・カラー)
おこんじょうるり(‘82・26分・35mm・カラー)
日本アニメーション映画史より)