岡本忠成[2](計68分)

変化に富んだアニメーションの素材や技法とともに、音楽や語りが表現の中に大きな比重を占めているのも岡本作品の大きな特徴である。『モチモチの木』では和紙による半立体の人形に浄瑠璃調の語り、『南無一病息災』では絵馬をイメージした杉板の人形に及川恒平のフォークソングという組み合せがついには高度な様式を確立するに至っている。桂朝丸(現・桂ざこば)の創作落語「動物いじめ」にヒントを得て作られた「人間いじめ」シリーズでは、関西弁によるたたみかけるような語りとイラストマーカーを使い激しいタッチで描かれたセル画が圧倒的な迫力を生んでいる。
12月のうた(‘71・2分・16mm・カラー)
日本むかしばなし さるかに(‘72・19分・35mm・カラー)
モチモチの木(‘72・17分・35mm・カラー)
南無一病息災(‘73・18分・35mm・カラー)
《「人間いじめ」シリーズ》
旅は道連れ世は情(‘73・2分・35mm・カラー)
うらめしでんわ(‘75・3分・35mm・カラー)
サクラより愛をのせて(‘76・3分・35mm・カラー)
おしずかに(‘80・4分・35mm・カラー)
日本アニメーション映画史より)