大藤信郎[1](計60分)

独自の“千代紙映画”を開拓した切り紙アニメーションの孤高の巨匠、大藤信郎(1900−1961)。幸内純一の助手を経験したのち、伝統の千代紙をアニメーションに活用しようと発案、自由映画研究所(後に千代紙映画社)を設立して『馬具田城の盗賊』を完成させた。時の新技術に敏感だった大藤は当時研究中の発声作品にも挑戦、『お関所』『村祭』など、レコード式トーキーによる歌唱映画も送り出した(上映プリントは無声)。なお実写とアニメの合成による試作品『煙り草物語』は現在確認できる大藤の最古の作品である。
煙り草物語(‘24・3分・35mm・染色・無声)
馬具田城の盗賊(‘26・10分・35mm・白黒・無声・短縮版)
切紙細工 西遊記 孫悟空物語(‘26・5分・35mm・白黒・無声・不完全)
こがねの花(‘29・17分・35mm・白黒・無声)
お関所(‘30・8分・35mm・染色・無声)
児童唱歌映画 村祭(‘30・2分・35mm・白黒・無声)
國歌 君が代(‘313分・35mm・白黒・無声)
心の力(‘31・12分・35mm・白黒・無声)
日本アニメーション映画史より)