川本喜八郎[1](計103分)

日本の人形アニメーションを先導し、現在も活躍中の川本喜八郎(1925−)は、劇作家飯沢匡らと結成したグループで人形作りの経験を積み、プラハ留学を経て自主製作の道に入った。師イジートルンカの忠告により、日本の伝統芸能(壬生狂言)を題材にしたユーモラスな『花折り』を発表したが、生前のトルンカに見せることができたのはこの第1作のみであった。さらに、ヨーロッパの抽象絵画を連想させる『旅』、超現実的な世界をセピア調のくすんだパステル使いで描いた『詩人の生涯』、若い僧侶に惚れた女の妄執の物語を気品ある人形に託した『道成寺』など初期の名作を上映する。またチェコへの“里帰り”の合作『いばら姫またはねむり姫』には、川本の国際的な活動の拡がりが見られる。

花折り(‘68・14分・16mm・カラー)
犬儒戯画(‘70・8分・35mm・パートカラー)
鬼(‘72・8分・35mm・カラー)
旅(‘73・12分・35mm・カラー)
詩人の生涯(‘74・19分・35mm・カラー)
道成寺(‘76・19分・35mm・カラー)
セルフ・ポートレート(‘88・1分・35mm・カラー)
いばら姫またはねむり姫(‘90・22分・35mm・カラー)

日本アニメーション映画史より)